引きこもりの一声 part1

目覚めると真っ暗でひんやりとした空間にいた。起きたばかりで状況もよく分からないが何年も同じような場所にじっとしていたような、そんな気がしてならない。

「そろそろ起きる時間だ」と本能的に感じる。まだこの空間にいたいのにと頭では思うのに、体はもぞもぞと動き始め、外へ出ようとする。真っ暗な中、感覚だけを頼りに進んでいくとずっとひんやりとしていた空間に徐々に温かさを感じ始めた。さらにもう少し歩みを進めていくといきなり視界が開けた。

真っ暗な闇しかなかったあの空間とは違い、物陰がうっすらと辺りに確認できた。そして何より身体を撫でる風を感じることが出来る。私は外に出たのだと寝起きの働かない頭で理解する。

外に出たことへの余韻など感じさせず、私の脚はまだ歩みを進めていた。今度は手近な木に跨り、ゆっくりとその幹を登っていく。ここでようやく私は先程まで自分が土の中で眠っていたことを理解するが、どうしてそこにいたのか、そして今何故こんな行動をしているのか、そこに関しては全くもって想像がつかない。

 

どのくらいの時間が経ったか分からないほど私は疲れていた。何しろ土の中で何年も眠っていたのだ。その長い眠りの直後のこの運動はあまりにも酷だと思わないか。そんなことを思ううちに私の身体は、ようやく目的地に着いたのか、歩みを止めた。

 明らかに身体の様子がおかしい。

歩みを止めたその時から私の身体に違和感を感じるのだ。具体的に言うならば、背中が張り裂けそうなそんな予感がするのだ。まったく自分が何者なのかも分からないのに何故こんなに色々な事が立て続けに起こるのか。そんな行き場のない怒りを感じていた私の頭は、唐突な睡魔に襲われ意識を失った。

 

 

Part2へ続く(かも)

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